2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震。
そして、北海道全域を襲った大停電。
地震・停電から約2週間近く経過した今、経験してみて初めてわかる停電時に必要なものや災害時の取るべき行動など、改めて整理してみたいと思います。
(実際は震災後、2日目あたりから書き始めたけど、筆が遅いためこんなに時間がかかってしまった)
「平成30年北海道胆振東部地震」の概要・被害など
2018年9月6日(木)午前3時8分。
北海道胆振地方中東部を震源とした、マグニチュード6.7、震度7の地震が発生。
震度7は北海道で初めて観測された最大震度。
震源の深さは37kmということもあって、北海道の広いエリアで地震が起こった。
震度 | 市町村 |
---|---|
7 | 厚真町 |
6強 | 安平町、むかわ町 |
6弱 | 札幌市(東区)、千歳市、日高町、平取町 |
5強 | 札幌市(北区、白石区、手稲区、清田区)、江別市、恵庭市、三笠市、長沼町、苫小牧市、新冠町、新ひだか町 |
5弱 | 石狩市、新篠津村、札幌市(豊平区、西区、厚別区)、北広島市、函館市、岩見沢市、南幌町、由仁町、栗山町、伊達市、室蘭市、登別市、白老町 |
4 | 石狩地方南部、胆振地方中東部 |
2 | 石狩地方北部・中部、後志地方北部・東部、空知地方南部、上川地方南部、日高地方西部・東部、十勝地方中部 |
1 | 渡島地方東部、檜山地方、後志地方西部、空知地方北部・中部、上川地方北部・中部、留萌地方中北部・南部、北見地方、胆振地方西部、日高地方東部、根室地方中部 |
震源地に近い厚真町では大規模な土砂崩れが発生し、多数の住宅が飲み込まれて犠牲者も出た。
また、札幌市清田区では液状化現象が発生し、道路の陥没や複数の家屋が傾いた。
強い揺れの起こった各地では、家屋の倒壊や道路の陥没、土砂崩れなど相次いだ。
この中でも多くの人に影響したのが大規模停電。
今回の地震により、苫東厚真火力発電所をはじめとする北海道内全ての火力発電所が緊急停止したことによって原因。
道内全域約295万戸すべてで停電が発生するという異常事態に。
今回の地震・停電を体験するまでは、「停電といっても少し生活が不便になるくらいでしょ?」と軽く考えていた節もあり、大して災害時の備えらしい準備はしていなかったもぐお。
特に札幌はこうした災害・震災に遭遇した経験が少なく、これらの災害とは無縁と考え、災害への備えも万全ではない方が大多数だったと伺えます。
大規模停電のリアル体験談@札幌在住もぐおの場合
ここからは、もぐおの体験談をベースに、停電時の対応や備えなど備忘録的に整理していきたいと思います。
9月6日午前3時8分の地震発生時。
もぐおは、すすきのにいました。
地震が発生した直後に停電になったらしいのですが、ビルの予備電源が機能していたお陰ですぐには停電とは気づかず、「ちょっと大きめに揺れたな」程度にしか思ってませんでした。
そして、外に出てはじめて大事になっていると気がついたのです。
↓デラTK*bot氏のTweet引用
すすきののビルや看板、信号まですべてが停電。
こんな光景は初めてみましたが、街が機能せず停止しているかのようで戦慄しました。
元々はタクシーで帰ろうかと思ってましたが、信号が点かない真っ暗な状態での車移動は流石に危険と思ったので、薄明るくなるまでビルの中で待機。
朝4時過ぎくらいになると、ようやく空が明るくなってきたのでタクシーを捕まえに国道36号線へ向かいました。
さすがに事態が深刻そうなので、「タクシーの運転手さんも仕事どころじゃなく帰ってしまい捕まらないかな?」と思ったのですが、すぐにタクシーを捕まえられました。
「信号停電ですけど走れますか?」と聞いたところ走れると頼もしい返答に喜び乗車。
もぐおはすすきのからタクシーで5分くらいと近場なのですが、連れの子は北広島とかなり遠く。
信号もついていない危険な中、走ってくれた運転手さんに感謝です。
マンションに帰ると当然、エレベーターは使えない為、階段であがることに。
家に帰ると対して地震の影響もなかったので、起きたら停電も回復してるだろうと軽い気持ちで、朝5時くらいに就寝。
午前9時くらいに目が覚めると、まだ停電が復旧されておらず。
携帯を見ると姉からのLINEで北海道全域にも及ぶ大停電になっていることをここで初めて知る。
とりあえず、もぐおのマンションは水道とガスが使える状態だったので、お風呂やペットボトルなどに水を貯めることに。
そして、午前10時。(地震発生から約7時間)
きっともう出遅れてるとはわかっていたものの、近くのスーパーへ買出しに。
そこではすでに長蛇の列。
どうやら入場規制をして少しづつ店内にお客さんを入れて、スーパーの入り口付近に水や飲料水・お惣菜・おにぎり・パン・カップラーメンといった食料、電池やガスボンベなどを販売している様子。
とりあえずもぐおは、食料と電池が手に入ればとの思いで並びましたが、列は全然進まず。
結果、店内に案内される順番が来るまで2時間並びました。
こういう時に周りのカップルや夫婦で並んでいる姿を見ると少し羨ましく。
こういった緊急時には一人よりも二人の方が何かと協力できて頼もしいだろうし、何より退屈な時間も乗り越えられることでしょう。
並んでいる最中、普段ならスマホでも弄って過ごすかと思いますが、電気がいつ回復するかわからない中、無駄に携帯電話のバッテリーを消費するわけにもいかず。
電気もネットもテレビもない状態で誰とも話すことがないというのは、かなり暇。(笑)
これは復旧後に北海道で婚活事業が潤いそうと体感。
もぐおはかなり大きめなスーパー(マックスバリュー)に10時から並び12時に入店。
これでもまだ早い方だったのか、水も飲み物もお惣菜もカップ麺もパンも電池もガスコンロも残っていました。
(唯一おにぎりだけ売り切れてました)
あと、実際に停電になってわかったことですが、現金はやっぱり大事!
街の機能崩壊レベルでない場合は、停電になるとほとんど現金やりとり。
キャッシュレス化が進んで、普段あまり現金持たないもぐおだったけど、たまたま前日にお金おろしといて良かった!ヾ(・ω・`)ノ
そうしてお昼過ぎに買出しから帰ってきて、まったり読書してたところ、もぐおの家では16時過ぎに電気が復旧。
札幌でもかなり早めに電気が復旧し、実質、停電は13時間ほど。
ただ、同じ札幌でも次の日まで停電だった地区もあったらしく、その地区の方々は停電の影響を大きく受けてた模様。
災害時のために準備しておくべきアイテムをおさらい
災害が起きるたびにテレビやネットで、災害などの非常時のために備えておくべきアイテムを紹介されているけれど、もぐおはまったく用意していませんでした。
頭ではわかっているけど、特に単身者なんかは、こういった常備品を用意している家は少ないかと思われます。
ちなみにもぐおは懐中電灯やラジオといった基本的なアイテムすらありませんでした。
(厳密にいうと懐中電灯は壊れてた)
そんなわけで今更ながら、災害時のために常備しておくべき必要なアイテムリスト。(自分メモ)
【優先度:高】
- 懐中電灯(手回し式が理想)
- ラジオ
- 電池大量
- 水
- 非常食
- モバイルバッテリー
【優先度:中】
- ガスコンロ
- ガスボンベ
- ウェットティッシュ
- 簡易トイレ
- 水のいらないシャンプーや歯磨き粉
- ゴミ袋
- ガムテープ
- 靴(個人的に) ←革靴しかなかった。もしもの場合たくさん歩くので動きやすい靴用意しとこう。
これらをバッグに入れてもしもの場合、いつでもすぐに避難できるよう準備しておかないと。
ただ仕事柄、モバイルバッテリーは常備しており、その他にも電池で充電するモバイルチャージャーもあったので、スマホのバッテリー切れの心配はありませんでした。
モバイルバッテリーは、充電していたバッテリーがなくなれば使用できなくなりますが、モバイルチャージャーは電池さえ豊富にあれば、充電し続けることが可能です。
今回の停電で札幌市民の多くは、この携帯電話のバッテリー切れが深刻だったと思います。
市役所・区役所のほか、電気が復旧した有志のお店などで、充電スペースを開放していましたが、かなり多くの方が殺到したみたいで、その順番も数時間待ちだったとか。
安否確認や情報収集など、災害時・緊急時ほど携帯電話は大切になってきますので、このあたりのバッテリー対策は一番にするべきでしょうね。
それと、情報収集にはやはりツイッターが便利でした。
最新の情報を把握するには欠かせないツールですが、その分、デマ情報もたくさん拡散されていたので注意は必要ですが。(´・ω・`)
あと今回は9月と割と過ごしやすい時期での停電。
もしこれが本格的な冬を迎える時期だったらと思うと恐ろしいですね。
寒さ対策として用意できるものといったら、カイロくらいしか思いつかないですが、果たしてカイロでどこまで暖を取れるか…。
札幌ならまだ家の中で服やコートを着込んで毛布に包まれば、寒さに震えながらも耐えれそうな家庭は多そうですが、もっと寒さが厳しい地方だと確実に命の危険となりそう。
そう考えると、冬の北海道での停電は命取りになってしまうので、特に寒さの厳しい地域では、小型の発電機+電気ストーブの備えは、大袈裟ではないのかもしれません。
相次ぐ猫の脱走@災害時とペット。
災害時にはパニックになった猫の脱走に要注意!
今回の地震以降、特にTwitterで目にするのが迷い猫に関する投稿。
同じく猫を飼っているもぐおとしては、家出して2週間近く経っている現在もまだ見つかっていない、などの投稿を見ると非常に胸が痛くなります。
もぐおは普段、猫を逃がさないよう注意して生活しています。
窓を開けっ放しにはしませんし、網戸のまま放置もしません。
(網戸にしたら自分がトイレに行くときも一回一回閉めます)
その為、猫が逃げてしまう状況がイマイチわからないのですが、地震・停電が起きて周りの様子を見ようと窓を開けた時に、パニックになった猫が逃げてしまったのでしょうか。
または、普段から自由に出入りさせていて、今回の地震で戻らなくなってしまったとか。
猫も「この家にもういたくない」と思って逃げてしまったわけではなく、たまたま開いてある窓やドアがあったから外に出てしまい、そのまま戻ってこれなくなったことなのでしょう。
もぐおも以前、知人の猫が目を離した隙に自宅の窓から脱走したとのことで、一緒に探した経験がありますが、かなり大変ですよね。
本人や知人などで付近を捜索し続けましたがしばらく見つからず、およそ3週間後、隣の家の軒下で発見されました。
(その軒下は何度も見たらしいのですが)
よく言われるように猫は脱走しても遠くに行かないことが多いようなので、根気よく近場を捜索し続ける必要があります。
脱走場所の近くにエサや飲み水、普段使っている猫トイレを置くのもお奨めです。
今回の地震後に猫が逃げてしまって、数日ですぐに戻ってきたケースの報告を見ると、みなさん近場で発見された方ばかり。
脱走した猫は余程のことがない限り、すぐには遠くまで行くようなことはないと、改めて実感しました。
まだまだ飼い猫が見つかっておらず、懸命に捜索し続けている方も多くいるかと思いますが、1ヶ月近く経って見つかったケースも多々あります。
飼い主さんも心配と後悔で気が気でないかと思いますが、諦めないで見つけてあげてください。
ただ、やっぱり一番重要なのは、そもそも逃がしてしまう状況を作らないこと。
地震や停電など突発的な災害が起こったときこそ、ペットに気を配って行動してあげてください。
また、こうした災害後は外でも猫や犬など、普段よりも多く目にすることがあるかと思います。
そうした場合は、Twitterやネットなどで「○○付近で○○な猫を見たよ」「こんな猫が外にいる(写真撮影できたら)」といった情報をあげてくれると、救われるペットの命もあるかもしれません。
ペットを飼っていない方はあまりご存知ではないかと思いますが、こうした家出したペットの情報交換はTwitterだけではありません。
『ネコジルシ』の迷い猫掲示板
https://www.neko-jirushi.com/maigo/
「○○で迷い猫っぽいのを見たよ!」といった情報提供を呼びかけていたり、飼い主さんが迷い猫の情報を掲載して目撃談・捕獲報告を募っている、いわば迷い猫専用の情報交換サイトです。
今やTwitterをやっていない人も多くいますので、こうした情報交換サイトも利用して、ぜひ情報を寄せてあげてください。
ペットとの避難所生活について考える
また、大きな災害となって自宅に住めなくなってしまった場合、避難所での集団生活が始まります。
そうなった場合、気がかりなのはペットはどうなるのかということ。
集団での生活となると、他の避難者たちと同じ共同スペースにペット同伴で寝泊りするのは難しいでしょう。
いくらペットは家族だから一緒にいる!と飼い主が叫んでも、ペット嫌いな方もいるでしょうし、アレルギーな方もいる。
ただでさえストレスになる集団生活で、鳴き声や走り回ったりと、ペットの行動が更なるストレスになる人だっている。
学校などの避難所なら、もしかすると階や教室によって、ペット同伴の方だけ一般の避難スペースとは分けて生活できるのかもしれないけど、ペット同士の争いやストレスも生じてしまうので、やはり集団生活には不向き。
だからと言って、ペットだけ外で生活できるなんて思えないし、冬なら尚のこと北海道ではペットだけまとめて外に出しておくことも現実的じゃない。
猫を飼っているもぐお自身、どうしたら良いかまだ明確な答えは出ていないのだけれど。
もしもそういう状況になって、ペット同伴を受入れてくれる避難所がなかった場合、車の中でペットと一緒に生活するのが、ベストじゃないけどベターなんだろうか?
(それはそれで冬の寒さの中、車の中で生活できる気がしませんが…)
また今回の地震で自宅に住めなくなってしまった方たちを対象に、北海道庁が道営住宅を無償提供を行ったのですが、ペットがいる場合は入居を受け付けられなかったとのこと。
もぐおもペットを飼っている身として、これは改善していって欲しいと願うものの、そもそも仮説住宅や公営住宅の提供は善意のカタチであり(国は国民を守る義務はあるものの)、こちらの要望をすべて聞いてもらうのが当然と思ってはいません。
現実問題として、もともと公営住宅はペット不可という大前提が多く、いくら緊急時でも既存の物件では許可がおりないのは仕方がないと納得できる部分もあり。
また、集団生活を考えると通常の仮設住宅にペット同伴するのも、色々と近隣トラブルになりかねない。
ペット同伴者専用の仮設住宅ができることを一方的に祈るしかないのだろうけれど、こうした災害時にペットとどう過ごすべきかといった問題も考えておく必要があるかと思います。
最後に。
地震や停電から10日程度経過し、札幌はもうほぼ通常通りの生活に戻っている人が大多数です。
スーパーやコンビニでの品揃えも、普段の9割ほどに回復したとのニュース報道もありました。
北電からの2割の節電協力要請は正直あまりうまくいっていませんでしたが、それでも計画停電は免れるみたいです。
こうした背景には、自身も被災して大変中、復旧にあたってくれた作業員の方だったり、物資を販売してくれた店員さんだったり、色々な方たちの見えない仕事のお陰で成り立っているものだと思います。
ジョージアのCMの言葉そのものですが、まさに「世界は誰かの仕事でできている」。
本当に感謝です!<(`ヮ´* )/
普段、自然災害がおきにくい札幌では特に、災害に備えた準備が不足していたと気づいた方も多いことだと思います。
もぐも今回の備忘録を残すことで、災害が起こってしまった時の対策について改めて整理することができました。
まだ余震は続いていますし、元の生活に戻れずに避難生活をされている方もいらっしゃいますが、少しでも早く普段の生活に戻れますように。
そして元気な北海道に戻りますようにと願いつつ、備忘録を書き終えたいと思います。
まとめ
- 停電になるとほとんどは現金取引!
- 携帯電話のバッテリーは命綱。モバイルバッテリーやチャージャーは準備すべし!
- 明日は我が身と防災グッズの用意を!
- 災害時は猫の脱走に注意!
- ペットがいる家庭は、避難生活になった場合を考えておくべき!
- 災害時は独り身寂しいと気づくけど頑張って生きる!
- 北海道は冬に大停電になったら死活問題!